東京芸術史 ~作家インタビューと、現代アート情報 

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> 『自分の人生を動かすのは他人』(巨匠:07/04/30)
【カテゴリー:巨匠との会話】 (2007/04/30) Twitterでつぶやく

kyosyo070430-1-2.jpg

巨匠 top page

maki abramovic(以下M):映画、いつ以来観てないんですか。
巨匠(以下巨):でも、DVDは観てる。『太陽の』なんやったかな。『太陽の墓』、『太陽の墓場』(*1)。違うな。何やったかな。哀川翔の、三池さんと(*2)。
M:それ新しいやつですか。
巨:いや、新しくはないな。DVDで観た。『TAKESHIS’』みたいなジャケット。
M:北野武は新作やるんですよね。
巨:『監督・ばんざい』ね。あれ、ダウンタウン松本の『大日本人』と同時公開。
M:そうなんですか。いつですか。
巨:六月十四か、十五か(*3)。
M:マッチャンのはどうでしょうね。
巨:どうやろね。何年間かずっと撮影してるんやろ。
M:どうひっくり返ったって第二の北野武にはなれないですよ。いくら面白くても、コメディアン上がりの大監督は二人要らないですからね。世の中には、キャラクターとかポジションというものがある。
巨:はは。でも、俺は観るやろけどね。
M:俺も観ますね。
巨:俺は毎日、サプリ飲み続けてるよ。
M:はは。やってないでしょ。
巨:やってるよ。
M:本当ですか。……『zoku』公開から半年経ちましたけど、手応えはどうだったんですか。
巨:ま、それなりやったし。それなりって言い方はおかしいけど。俺ね、個展とかずっとやってたから、ただ、ロードショーって形になったのは良かったんじゃないかと。
M:僕は休日にしか観に行ってないんですけど、平日とか全体の入りはどうだったんですか。
巨:まあ、人の入りは普通だったんじゃない。リアルな話だと黒が出ましたわ、と。そういう意味では成功。FAITHとしても。
M:宣伝にもなりましたしね。
巨:そうそう。まあ、元々のスタートがね、『zoku』のね。暇つぶしみたいなものだったから、ここまで成長するとは思わなかったけどね。最初はちょっと試写会やって終わりのつもりだったから。
M:言ってましたよね、銀座かどこかで。
巨:八丁堀ね。リトルシアター。それが、五十回ぐらい回してくれるっていうんだから、良かったっちゃあ良かった。疲れたけどね。
M:上映の前のプロモーションっていうのも、映画の大きな仕事ですよね。
巨:最初、斉藤(プロデューサー)が公開を年内にやりたいって言い出したときに、それが(二〇〇六年)九月ぐらいに言い出して、ちゃんと動き出したのが十月ぐらいのよ。チラシ作ったりとか。言い出したときに、個展とかやってきて俺分かってるからさ、時間ないよって、足りないよって。あと二ヶ月は必要やろうって。今やりだしたら来年二月ぐらいになるよって話はしたんだけど、でも、どうしても年内にやりたいと。じゃあ、まあ、いいかと。客はあまり入らなくても赤字にならなければいいか、と。やってみれば、金は出すよって言った。で、あいつも頑張って黒字になったから。もう二ヶ月あれば、もっと客が入ってただろうけどね。
M:個展とは違いますよね、やっぱり。
巨:全然違う。ま、個展の方が大変だわ。だって、俺の個展って金取るからさ。普通、個展って金取らないでしょ。個展の方が金かかってるんじゃないかな。多分。
M:映画見せるよりも? 個展はどういうスペースでやってたんです?
巨:渋谷の、何で渋谷にこだわってるんやろね、俺。渋谷のギャラリー・ルデコってとこで。
M:どういう用途のギャラリーなんです。
巨:普通の写真展とか、芝居もたまにやったりしてる。そこで、やってたな。三回か、二回か。もう覚えてない。その時は単独だから、大変は大変。今回はそうじゃないから、楽だった。まあ、良かった。色んな意味で。
M:その後、半年間はどんな感じだった?
巨:仕事。二月は暇だったのよ。で、その時は本を書いてた。脚本を。
M:あの、例の?
巨:そう。まだ言えないけど。
M:例のって、どっちのです? 自分の。原作モノの?
巨:そう。まだ詳しくは言えないけど。
M:前ちょこっと聞いたやつですよね。脚本だけ書いてる方は?
巨:それも言えないことがいっぱいあって。

※オフレコーディング3分間

M:要するに様子見ってことですか。
巨:そう、様子見。
M:もう一つ、自分で原作モノやってるんですよね。
巨:それは動くやろね。
M:今年中に?
巨:今年中は物理的に難しいわ。俺のせいやけどね。仕事で忙しい。
M:向こう何年間でできればいいかって感じですか?
巨:来年やろね。これも言えない話なんだけど。

※オフレコーディング5分間

M:いろいろ画策中ってことでいいですか?
巨:はは。そういう風にしておいて。今までと違ってさ、俺動くと会社も動くからさ。余計なことまで考えないといけない。
M:作ってるだけじゃなすまない?
巨:そうそう。多分、この五、六年かも分からないけど、俺のイメージしたスタイルに到達したとすれば、好きなことやっていける。好きな作品だけ撮れると思うわ。まずは、自分が好きなものを作れる環境。
M:今回のインタビューのテーマですからね。自分の形で映画作りをする。
巨:そうそう、俺はずっとそれを追いかけているから。すごいよな。こうやって記録してさ、最初から言ってることが実現したらすごくない? すごいよな。ま、そのために頑張ってる最中やな。
M:五年くらいを見越して。
巨:その間には、バジェットムービーと言われるものも一本ぐらいはやるつもりだけどね。俺なりに。今最もバランスの難しいところなのは、まず最初に売り出すのが、会社の名前なのか自分の名前なのか。難しいのよ。
M:監督の名前はついてくるって考え方でいいんじゃないですか。
巨:会社の名前を売り出すのはそんなに難しくはない。監督は俺じゃなくてもいいわけやん。ある程度の、一億、二億のバジェットで、実績のある監督でやっちゃって、うちが制作プロダクションで入って。
M:実績ある監督って言ったって、監督の名前で映画を観るのって、ほんと一握りじゃないですか。
巨:ハリウッドほどはないよね。スピルバーグだから観るとかって。
M:北野武とかマッチャンは別として。『リンダリンダリンダ』の山下監督(*4)だって、新進気鋭って言われても、一消費者からすれば、山下監督だから観にいくっていう姿勢はない。そういう意味では、……自分でやったらいいんじゃないすか?
巨:はは。軽いなあ。
M:そこが目的だし。
巨:結果的に自分でやるよ。でも、その前にまずは、会社の信用の問題もあるし。その辺も含めて戦略を立てないと。
M:その先に自分のやりたいようにできるようになればっていう。
巨:そうそう。自分が本当にやりたいことを目的とするならば、会社という箱は絶対的に必要。ただ、その会社っていう箱をどう使うか。会社に限らずそうだと思うよ。自分に資本力あれば、スポンサーに頼る必要ないし。自分で勝手に椎名誠みたいにやっちゃえばいいんじゃない。自分のやりたいことをお金にするのが一番難しい。
M:映画ですからね。映画はコストかかるからな。会社がしっかりしていた方がいいのかな。
巨:微妙やけどね。けっきょく自社製作となると、体力ないと難しい。ミニマムな、『zoku』みたいなのだったら採算取るのがそんなに難しくないことはハッキリしたから。
M:ミニマムで多くとると。
巨:それか、世界的に考えようとするならば、ある程度のバジェットがないとプロモーションできないから。
M:プロモーション費だけになってしまう。制作費といいつつ。
巨:ほんとそう。
M:リスクヘッジは難しいですよね。映画は、だって、良い作品が売れるわけじゃないですからね。
巨:映画は面白いけどね。本当に面白い。しかも、自分がプレーヤーだから尚更だよね。やっぱりプレーヤーは逃げてはいけない。そう思ってて、そこはリアルに考えないといけない。
M:巨匠の過去の作品からざーっと観てきたわけじゃないから、何とも言えないけれども、会社運営のなかでは『zoku』はキーになってますよね。作品としてはどう思ってるんです?
巨:まあ、あれはあれなんちゃう。スタートが俺が見た夢やん。リハビリのつもりやったのよ。その前の作品から四年か五年経ってるから、リハビリのつもりでやったのが、結果的にこうなったというわけで。それこそ、最初は試写会で終わらせるつもりやったから。
M:鮭山さんはクローズアップされましたよね。
巨:あれで、サーモン鮭山はかなりの知名度になったと思うよ。彼の今後の人生でけっこう大きいと思うよ。次の作品も出るだろうしね。放っておいても出さざるをえないよね。そういう意味では、出てくれた役者へのお礼返しもあるから。
M:ちゃんとギャラのつくものを。
巨:変な話ね。もっとバジェットのつくもので呼んであげたい。石井里佳なんてミュージシャンなんだから、曲使ったげた方がうれしいわけだし。ま、まだ『zoku』が着陸してないから、飛んでる最中だから。DVD化されて、全国流通されれば。
M:今回のインタビューのテーマは「才能」なんですよ。こないだの海里も「才能」をテーマにやったんですよ。まずは漠然と自分の才能についてどう思ってるかと。
巨:俺は才能ないからね。
M:巨匠、じゃないですか。
巨:誰も言ってくれんから(自分で)言ってるだけで。俺ね、昔は自分は天才やとか、ね、自分で言ってそういう風にしようとしてた。でも、ある時ふと思ったわけ。才能ってなんだろうと。俺って才能あるのかって。最終的に気づいたのが、もし俺に才能があったら、二十代前半でもうバジェットのある映画撮ってると。もちろん、大器晩成という言葉もある。だけど、本当の才能っていうのは続けられるかられないか。一つのことに対して。
M:けっこう一貫してるんですね。サプリの話と。
巨:はは。だからサプリにこだわってる。
M:つながってるんですね。
巨:続けられるか、られないか、それに尽きる。やりきれるか、やりきれないか。どんなにクオリティ低くても良い。だけど、一つのことをやり遂げると、やり遂げたことが一つの達成や。また、次の作品でも同じことができるのかと。できれば達成。それを何回もずっと続けられるのか。それが才能だと思う。続けることが重要だと思う。
M:映画だと技術やノウハウが必要じゃないですか。そのノウハウを越えた部分、色が才能だと考えると、どうですか。
巨:そうやね、それはけっきょく経験だと思う。続けるっていうことが基本で、その中で、自分の枠を超えられるのかっていう部分がでてくる。だから、ある程度、到達しないと、そこまで行かないと思う。レースでも、FJからあるわけやん。F1に到達して、初めて三百キロを超えるスピードを体験することができる。そこに到達しないと分からないことって、いっぱいあると思う。それと一緒。自分のスピードの枠のなかで、どれだけやれるか。
M:世の中知らない段階で自分が天才だなんて言っても、口だけだと。
巨:そうそう。ただ、それを言い続けるパワーっていうのは必要だと思う。
M:大枠としてはよく分かる。ただ、例えば文章書いたりしていて「ああ、こんな言い回しを思いついた」とか、他の人の作品を観ていて「俺ならこうするのに」っていうのはありませんか。
巨:そういうのは片鱗。
M:片鱗?
巨:そういうのを思いついたとしても、良いか悪いか分からないやん。いい文章を思いついたとしても、それは片鱗。それを磨くかどうかの問題。その磨き方を間違えちゃうと崩れちゃうよと。いいものを考え付いたら、その時点での到達点なんやろう。片鱗や。
M:着実な意見ですね。
巨:でもね、続けることをリアルに考えると、行きつくとこはそこだと思うは。
M:才能ってものはあると思います? 自分がってことではなく。そもそも世の中に。
巨:こいつはすごいなって思うことはあるけど、そいつにとっての才能なのか、俺にとっての才能なのか分からん。才能ってバロメーターがないやん。だから、俺はこいつ才能があるなと思っても、他の人から見たら違うかもしれん。それは感性や。『ジョゼと虎と魚たち』の中で、ジョゼと妻夫木君がいつも一緒にいたけど、急に会わなくなる。で、ジョゼが教科書とかいっぱい拾ってきてたやん。その一つに何とか君って名前があって、その教科書の持ち主が同じ大学のサークルに入ってきて(妻夫木が)ジョゼを思い出すシーンがあって、うわ、こんな思い出し方があるのかって。
M:あれ、良いシーンですよね。笑いながら怒る。
巨:そうそう。あれとかさ、この脚本家はすごい才能があるなと思う。すごいな、こんな書き方して、とか。でも、気づいていない人が多いわけやん。それに気づくまでの過程っていうのがあるわけで、俺はそれまで何本も映画を観てきたから、それに気づける域に達したのかもしれないし。その辺とかは、ものすごい微妙なバランスで成り立っている。自分の撮ってきた作品で、ものすごいの作ったなっていう瞬間は過去も振り返って一回もない。面白いって言ってもらったことはあるけど。けっきょく、続けなあかんねん。
M:続けないとね。
巨:自分を動かすのは自分だと皆思ってるけど、そうじゃなくて、けっきょく、自分の人生を動かすのは他人なのよ。人との出会いによって人生は変わっていくから、色んな人との出会いで右に行ったり左に行ったりして。で、人生の中で二、三回だろうね。自分で自分のハンドルを切ろうと思うのは。人に出会う才能っていうのがあるかもしれない。
M:才能っていうのは自分のなかでの問題だと、ふつう思いますよね。
巨:映画撮るなら天候に恵まれる才能が必要だし、雨男は撮影が進まないしね。いろんな才能が必要、映画は。良い役者に出会えないといけないし。
M:なるほろ。
巨:斉藤(プロデューサー)がさ、十年ぐらい知ってるから、あいつが十代の頃から知ってるからさ。あいつは俺がこういう風にやるって言ってずっと動いてるのを、ずっと見て来てるわけ。それでね、最近、ものすごく怖がってるのよ。ルービック・キューブが一つずつカチャッカチャッってはまっていくのが、リアルに見えて怖いって。本当、そういうもんやと思うわ。俺も思うもん。ああ、ようやくハマリだしてきたなって。
M:今みたいな才能の考え方っていつからです?
巨:二十代前半から。まったく変わってない。映画をやろうって考えた時点から、まったく変わってない。

巨匠 top page


(*1)『太陽の墓場』:大島渚監督作品、1960年。
(*2)哀川翔の、三池さんと:三池崇史監督、哀川翔主演『太陽の傷』(2006年)のことか
(*3)六月十四か、十五か:北野武監督の『監督・ばんざい』は六月二日公開。
(*4)山下監督:山下敦弘監督。







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