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> トークショー「最近、日本のアートとかって、なんかヘボくなってない?」
【カテゴリー:アート report】 (2011/12/29) Twitterでつぶやく

中野のギャラリー「pixiv Zingaro」で29日、グラフィックデザイナーの古平正義さんと写真家の鈴木心さんがトークを行うというので足を運んだ。「最近、日本のアートとかって、なんかヘボくなってない?」という刺激的なお題を掲げていたので(失礼ながら御二方についてはよく存じ上げませんでしたが、気にせず)足を運んだのである。

お題は「日本のアート」の「ヘボ」さを語ることになっているが、それを語るのはいわゆる現代アート業界の外で生きるグラフィックデザイナーと写真家である(広義のアートだという議論はこの際置いておいて)。2人ともアート業界とのかかわりがないわけではないにせよ、生業はあくまで商業媒体をディレクションするなりそこに作品提供するなりして食っているわけだ。後日、アート業界の人に白い目で見られても屁でもない。だから、言いたい放題やってくれるんだろうと僕は期待していた。

結論から言えば、それほど辛辣なトークではなかった。

アートというよりは、2人の属するそれぞれの業界の実態を紹介し合うような内容で、アートへの数少ない言及を要約するならば「日本は若手を育てるインフラが整ってないよね」という程度だった。ただ、古平さんによる、「アーティストになるという行為が、どこか、会社に就職するような感覚に近くなっているのでは」という指摘は着目しておく必要がある。

一般論として、美大に進学した学生たちは、卒業後どうしようか、と考える。アーティストになりたい、と、何割かの学生は思うだろう。さて、ここで言う、アーティストになるという行為は、一体何を意味するのだろうか。

「週刊ポスト」にビートたけしの毒舌コーナーがあってよく読むのだけれど、今週号は年末の総まとめで、その中でたけしが公務員マラソンランナー、川内優輝選手の活躍を絶賛していた。そこで編集部が「実業団の選手は走って金をもらっているのに何をやってんだという声がありますが?」と話を振ると、たけしは「それは違うな」と制し、「(川内選手は)安定した本業があるからケガを恐れずに、どんどんレースに出られるし、ギリギリまで自分を追い込めるんでさ。故障したらクビになるかもしれない実業団選手だとそうはいかないぜ」と持論を展開した。

たけしはある意味でのプロフェッショナルの弱点を鋭く突いている。ある意味での、というのは、つまり、「ある特定の業界内を生きるという意味での」プロフェッショナルの弱点である。この話を陸上からアートに置き換えて想像してもらいたいのだけれど、業界内部ではその内部で生計を立てているがゆえの遠慮あるいは阿りがあり、無意識のうちの職業的ペース配分やら職業的延命措置やらがある、と。

ところで、美大を卒業する際に学生たちが思い描く「アーティスト」は、走ることで給料をもらう「実業団ランナー」を指しているに違いない。だが、公務員として勤務しながら練習を続ける川内選手もまた「本物」のマラソンランナーだということを僕は強調しておきたい。問題は、アートの場合、タイムが速ければ「本物」と証明できるような、優劣の指針が明確には存在しないことだ。

つまり、兼業であれ実業団選手よりも速ければ「本物」と認められるマラソンランナーに対し、公務員・正社員として勤務しながらの兼業アーティストが年に1度ぐらい作品を発表したところで、作品本位の評価の前段階で、「こいつは本気ではない」あるいは「所詮アマチュア」などとみなされるのがオチではないか。バイト(あるいは業界内部の美術教師など)で食いつなぎながら将来専業アーティストになることを夢見て制作に励む美大卒業生というステレオタイプを、それがステレオタイプであることを承知で踏襲しなければならないような空気感がこの国にはあるような気がするのは僕の気のせいだろうか(まあ、アート業界内部に詳しくないので僕の中の勝手なイメージかもしれないが)。

「美術手帳」の2012年1月号は世界のアートマーケットを特集しており、欧米の有名ギャラリーが紹介されている。あるところで日本のアートフェア関係者が「アートが盛んな地域には、必ず経済格差がある。経済格差が良いというわけではないが、事実としてそう」と語っていたのを耳にしたことがある。噛み砕けば、大金持ちがいないとアートは盛り上がらないということだ。少なくとも、日本の既存の富裕層が現代アート作品を所有することをステータスとみなす環境作りが必要になるだろう。将来、日本のアートマーケットが拡大し、国内の複数のギャラリーが今回のような「美術手帳」の特集に顔を並べる時代がやってくるのだろうか。

現状ではサラリーマンに経済的に無理しない程度にコレクターになるように勧めたり、地方のアートイベントに誘い込み数千円ずつ集めるアートツーリズムが流行っている。富裕層へ働きかけてパトロンを育成するというよりも、中流階級以下から小銭を手広くかき集めようという風潮。あるいは地域を巻き込んで行政から助成金を求めるような…。

それはそれで日本独特の方向性として良いのだけれども、するとなると、国内で活動するアーティストが経済的にも自立した専業アーティストとして多数活躍する未来は到来しないだろうと思う。川内選手のように、公務員あるいは正社員として一定の給料をもらいつつも、一方で、熱心に(経済的成功を期待せずに)アートに取り組む兼業作家こそがこの先の日本社会に最適化されたアーティスト像なのではないか(さもなければ、欧米中心に活動すれば…以下省略)。

ともあれ、アーティストになるということは、いわゆるアート業界に職業的に内部化されることだけに限定されない意味を持つはずだ。



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